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はらだはるなに会いに、大阪に行った。彼女はついこの間までうまなみガールズで活躍していたが、なにかの理由があって、AVを辞めて大阪で風俗嬢をしているようだった。
新大阪に着き、新幹線の改札で待っていると、十月で肌寒いのに肩と脚を大胆に露出させたはらだはるなが現れた。化粧が濃く、陽にあたってなさそうで、誰 がみても水商売か風俗嬢という風貌と雰囲気である。ターミナル駅の新大阪は腰を落ち着けるような場所ではなく、どこかに移動したいと提案すると、歓楽街の キタか家の近所の西成区のどっちがいい? と可愛い声でいってきた。地下鉄に乗って、西成区に行くことにした。彼女は人見知りしない性格のようで、最近の 近況、AVだけでは暇すぎて生活できなかった末期の東京生活を楽しそうに話まくっている。饒舌に喋りまくる彼女の横顔を黙って眺めながら、彼女に染みつい た夜の匂いは、服装のせいか長年の仕事のせいか考えていた。
「もう、どうでもいいや。適当に生きてるだけだから」
記事になるような気の利いたことはなにもないとばかりに、自暴自棄な言葉を何度も言っている。彼女は現在、関西とある地域で裏風俗嬢をしている。老婆の ポン引きが客を引っかけて、老朽した木造住宅の二階で本番だけをする赤線時代からある伝統的な慰安業をしているようで、華やかなAV業界から放りだされて 売春婦になった転落に自棄になってるのかもしれないと覚悟をして会ったが、「適当」というのは彼女の生まれながらの楽天的な性格で、もう終わった昔のAV のことは本当に「どうでもいい」ようだった。
御堂線という地下鉄に乗って、動物園前という薄汚れた駅で降りた。
「店の寮なんだけど、西成ってホントに治安が悪いヤバイところで、絶対夜中歩かないようにって言われてて、帰るとき恐いからタクシーで家の前まで行ってもらうの」
箱入りの女子中学生みたいなことを仰々しく言いながら、駅の階段を昇っていったが、外にでた瞬間霧がかった繁華街がみえて、労務者風の男たちがウロウロ 歩きまわり、大通りの道沿いににわとりが飛んでいた。十数メートルの地下道を歩くと、何人もの物乞いが缶を置いてボーっと遠くを眺めていて、古びた繁華街 に入るとさらに薄汚い労務者たちが増えた。俺は本当に普通じゃないので、笑ってしまった。
時間の止まったドヤ街の繁華街と夜の匂いが染みついたはらだはるなは、一瞬にして溶け込んで、昔ながらの原住民ではないかと錯覚するほどだった。はらだ はるなはイキで可憐な女であり、ドヤに咲く花のようだった。離れるのが惜しくなって、看板が曲がって築五十年は経ってるだろう疲れたオヤジが仕切る寂しげ な串焼き屋に入ることにした。
「ビール飲みたいけど、マンコの潤滑液がでる穴からばい菌が入って、今、アソコがバカみたいに腫れてるのぉ。だから、烏龍茶」
と、一般女性が一生に一度も言葉にしないようなことを当然のように呟いてから、耳の悪いオヤジに烏龍茶を注文して、彼女は埃の浮いたソースで揚げたての串焼きをつついていた。
【すべてが破綻しても落ち込まない異常ホスト狂】
「そうなの。私、ホスト狂いなのぉ」
ソースの味しかしない串焼きを下品に口に放り込みながら、そう言っている。ホストが生きる糧となり、想像絶する金額を貢ぎ続けてきた本格派のようだ。社 会的ヒエラルキーの最底辺の人間たちが集まる街で、売春を生業とする女が楽しそうにホストの話をする。彼女が街に溶け込んでるのは、自分が最底辺の女であ ることを自覚していて、自分はそんなんじゃないというプライドは一切ないからかもしれない。欲望のままに生きてる人のようで、どんな話をしていてもおそろ しく明るい。
大阪にやって来たのは、二ヶ月前。毎日ホストで豪遊する享楽生活が破綻、一緒に住んでたホストのツケとうななみガールズのAV女優としての居場所を飛ば して、大阪の前借りさせてくれる裏風俗店を見つけ、こっそりとホストとの同棲部屋を抜け出して夜逃げするようにやって来たという。
「別にブランドの服欲しいわけじゃないし、目的があって仕事してるわけじゃないから、お金の使い道がないのね。で、ホストっていい趣味見つけちゃって、楽 しすぎるからハマりまくったの。ノリで百万円くらいのシャンパン入れちゃったりするのね。私、単体じゃないから、単なる企画だから、ある程度収入限られて るでしょ。だから支払いのこと、考えながら飲むの。えーえーえー今日の会計百四十万円としたら、今月あと何回かしか来れないでしょぉ、百万でとめとこうか と我慢の心あるけど、ノリで百四十万円使っちゃった、どうしようキャーキャー、みたいな。やっちゃったぁ、バカじゃないの私、バカバカ、バカバカって頭抱 えて、落ち込むみたいな。そんなのばかり」
最初は「私、バカバカ」と頭を叩くことの、なにが楽しいのかさっぱりわからなかったが、どうやらあり得ない大金をやりくりする切羽詰まった状況を楽しん でるようだ。お金は残酷であり、容赦なく責めてくる。安穏とした彼女も尻を叩かれるらしく、人生で唯一本気になる瞬間らしい。一度に百五十万円という会計 することは日常で、ホストにとっては上玉中の上玉のお客である。闇金にまで手をだしてホストクラブに行く財政は完全に破綻していたが、追い詰められる厳し い状況が彼女的には「楽しい」ので、悩んだり後悔をする隙間がない。ホストが原因で風俗嬢に転落する話は一般的に現代の悲劇として捉えるのが普通だが、彼 女が話すとなにかとてつもなく壮大な楽しいことのように聞こえてしまう。声が大きいので耳が遠いオヤジにも届いてるようで、うんざりした顔で視線を送っ て、ホスト狂いでマンコを壊してるらしい彼女のことを眺めていた。
「バイトとかバッチのないホストはいらないの。幹部以上、できれば代表。ホスト狂いの女のコはそれぞれお金の使い方が違うんだけど、いくらで男が落ちるか な、みたいな遊びだよね。幹部以上だと自然に使うお金も増えてきて、あーあー、今月こんな使っちゃったぁ、自分の収入より全然多いぃ、超赤字ぃ、どうする どうするって、切羽詰まって騒ぐでしょ、百二十足りないとか、二百足りないとか。焦って焦ってどこかバンスさせてくれないかな、とか他のホスト好きの女の コたちと情報交換したりして、仕事入れろとか金貸せとか事務所に電話したり、お客から金ひっぱたり、とにかく頑張るの。ハハハ。ハラハラドキドキが、楽し いんだだよねー」
彼女は一日で飲みきれないウイスキー系のボトルは注文しない。いつも飲みきりのシャンパンである。白、ロゼ……と種類あるドンペリのどれかを頼むのだ が、気分のいいときに舞い上がって一番高い百万円のマグナムを入れてしまう。百万円にサービス料が二十パーセント、それにチャージや税金がかかり、会計が 百五十万円を超えてしまうという。そんな無茶苦茶な遊びを3年間以上、続けている。
バブル紳士も顔負けの豪遊であり、破綻は日常であり、その度にすべてを捨ててバンス(前借り)させてくれる風俗に飛んでいく。ホストで破綻して裏風俗嬢 堕ちという現在の彼女の姿は、悲惨としかいえない大転落だが、彼女にとっては想像の範疇の慣れっこなことであり、その笑顔に力強ささえ感じる。
「あり得ないお金の使い方してるから、だんだん悪循環になってきて、払えないものがどうしてもでてくるわけ。金融なり、闇なりに頼るようになって、それま でそのホストのこと好きって自己暗示はかけてるんだけど、払えなくなってくると引き際かなと思って、どうしてコイツに金使ってるんだろう?って疑問がでて きて、バッサリ切っちゃうの。バンスのお金で闇金は全額払って、ホストのツケはシカトして、店で働いて返すみたいな。客から引っぱるのはホストと一緒、同 じことするのね。だから、やられてる方もわかっててやってるの。可哀想だけど、楽しいからまあいいか、みたいな。考えるのが面倒くさいから、お金に流され るままなるようになれ、みたいなね」
ビデオ関係の人は暗いから嫌い、お客は金引っぱるだけと、棲み分けがはっきりしている彼女は重症の寂しがりというわけでないようだ。ホストのことは好き なのだろうが、金で繋がってることは理解していて、後先考えないで散財し、狂ったように盛りあがって、祭りの後に尻を叩かれ追い詰められることの充実感の 方が優先してるようだ。それを心から楽しそうに話す彼女の無軌道ぶりに失笑してしまう。そんなダメな自分を理解してる彼女がいう「どうでもいい」とは、人 並みに生きる目的がないということだろう。お金に翻弄されることだけが、彼女の心を躍らせるのだ。
「もう二十五歳だから。ババアでしょ。二年くらい前まではいつまでエロ業続けようとか不安になったりすることもあったけど、普通の仕事はダルいし、もっと 遊びたいし、風俗とかAVなんて一瞬仕事だけ我慢すればいいだけだから、働けなくなったらそのとき考えようみたいな、ハハハ。そしたらこうなっちゃった、 ハハ。もうどうでもいいってのは、諦めだね。私ね、いくら考えても落ち込まないの。本当は悩んで本とか書く人になりたいけど、悩んでる最中に飽きちゃっ て、他のことに気が行っちゃって、ゲームとかピコピコとか始めちゃうのね。ゲームしてるうちになにを悩んでたのか忘れちゃって、気が付いたら朝になって た、みたいなね」
AVは朝から晩まで撮影があり、ありとあらゆるプレイを披露しなければならないが、現在のとある場所での慰安業は男を脱がしてローションを塗って挿れて 出すだけである。話しなくていいし、すぐに終わるし、なにもしなくていいからAVよりも楽で美味しい仕事なのだそうだ。哀しみが詰まったようにみえる日陰 の売春業は、そこに生きる女のコのことを知りもしないのに見下して同情してしまったりしがちだが、単純に労働量と報酬を計算する彼女にとってはスポットラ イトを浴びるAVだろうが日陰の慰安業だろうが、抜く仕事ってことには変わらないのである。
どうして異常なホスト狂いになったのか? その辺を探ることによって、はらだはるなの姿が見えてきそうだった。
【なにか見つけるために大都会・東京に家出した】
はらだはるなは福岡県北九州市の生まれ。母親は真面目な看護婦だったが、祖父は炭坑の街・田川の生まれでヤクザとして生きる人で、父親も若い頃はヤクザ だった。親の血を引いたのかグレた弟は少年院を経験するヤンチャ坊主で、複雑な家庭のように聞こえたが、至って平和で普通の仲のいい家族だったという。
「のほほんと小学校をでて、中学は私立の女子校に入れられたのね。女子校だから男の子と関係ないでしょ。今、風俗やってるけど、ヤリマンだったとかそうい うの一切なくて、普通っていうか堅かったよ。話したりできなかったぐらいだからさ。高校のときは合コンして彼氏とかできだしたけど、普通だよね。なにかが ちょっと変わってきたのは、高校一年でバンド始めてから。地元の小倉だけじゃなくて、博多にも行くようになって、世間の広さがわかって学校がつまらなく なったのね」
この頃からの悩みは、「なにもしたいことがない」こと。バンドは退屈だから友達に付き合ってるだけ、将来の夢なんて考えたことがない。なにかに熱中した ことは、生まれてから一度もなかった。退屈でつまらないだけの毎日で、彼女がしてきたことは友達とバカ騒ぎすることだけである。
「なにやりたいとか思ったことない。悩みもない。なにも考えてなかった。楽しく遊んでただけ。17歳のとき、ノリで博多の中洲の川で青春ごっこじゃないけ ど、東京行く? ってなって。マジで、今からって。それで鈍行列車に乗って、東京に行っちゃったの。家出じゃないけど、狭い街からでたいみたいな。ある じゃないですか、東京になにかあるかもしれないって。やりたいこととか、自分にしかできないことが見つかるかもしれないって。やりたいことがないもないか ら、毎日がつまらないから、その場だけのノリで遊んでゴマかすでしょ。誰と誰が付き合ってるとか、そんな話ばかりして。物足りないからバンドやって、自分 よりずっと年上の人とか知り合うようになって、この人25歳なのに就職しないでこんな遊んでるの? って、驚いたり。そういうのもあるんだなって視野が広 がってきて、東京に行って、ダメだったら海外に行けばいいかみたいな抽象的な野望があったのかな。この町は狭い、だからなにもない。東京広い、だからなん でもできる、みたいな。なにかやりたいことをしたいんだけど、見つからないから町が小さいせいにして、大きいところに行ったらなにかあるかな、って思って たんだろうね」
上京した、その日。家賃と食費を稼ぐため、ピンサロ勤めをした。生フェラして発射させる仕事だったが、汚いとも後ろめたいとも思わなかった。なにもしらぬまま必要に迫られてやったことで、小倉のバイトの一週間分を一日で稼げた驚きと喜びしか憶えていない。
「ずっと友達の友達の部屋に居候するわけにいかなくて、吉原に行ったの。もうピンサロとかバカらしくなって、楽して稼げる仕事を考えたら吉原だったんだよ ね。家出して学校やめて。もう、それだけで普通じゃないでしょ。お金いるし。援交は廃れてて、とりあえず稼ごうって思ったたの。小倉で高校生してるより、 東京で風俗しながら生活してる方が楽しかったよ。毎日、決まってる日常ってドキドキ感に欠けるでしょ。東京でちょっとムチャしてる方が、これ若さ、みたい なのがある。生きてるね! みたいな」
楽して稼いで、たくさん遊ぶ。それだけをモットーにピンサロ、ヘルス、ソープ、イメクラ、ストリップと風俗のフルコースを歩むことになった。五十万を貯 めて、お金が尽きるまでなにもしないで遊んで、また新しい店に行く。そんなことを繰り返した。彼女は十七歳のときピンサロで日当をもらってから、普通に働 こうと思ったことがない。
「まだ、その頃は貢ぎ体質はできてなかったんだけど、十九歳のとき大学生でお金を持ってない男と三ヶ月くらい付き合ったのね。お金がないから一万くれって言われたことがあって、そのままヘルスに行って二万円稼いであげちゃったの。それが初貢ぎ、なんとも思わなかったな」
想像通り、その場のノリだけで生きてきた彼女は、空虚感たっぷりの話をしている。男を抜くだけの発展性のない仕事に、ノリだけの人間関係。なにも考えて こなかった成長を拒んだ代償として、その破天荒な生き方の理由として「お金」しかでてこない。風俗仕事は苦痛でもなく、頭使うことでもない。なにも考えな ければお客は物であり単調作業の繰り返しであり、無意識のうちにどんどん普通の世界から離れていく。さっきからずっと笑っている彼女は可愛くて楽しいが、 意味がない。その場のノリは意味のない無である。彼女は重症のようである。
「普通の仕事は稼ぎが悪いし、体力使うし、時間なくなるし、しんどいし、つまらないし。やっぱ、お金? でも、どうしてお金なんだろうね。小さな頃、お金 に困ったわけでもないのにね。お金がないと遊べないってわかってるから、働く時間が短いぶん、遊んでる時間がいっぱいあるからなにするわけじゃなくても、 使っちゃうのね。どう考えても風俗の仕事から抜けられないよね、ヤバイと思うけど」
【風俗のフルコースで得たものとは?】
十七歳で東京に来て、二年が経った。もうすぐ成人式を迎えようとしている。風俗で稼いで遊ぶという生活、昨日のことすら憶えてないという薄い生活に飽き たとき、初めて初心を忘れてることに気がついた。私、なんのために東京に来たの? そう我を振り返ったとき、初めて不安に襲われた。東京に来た目的は「や りたいことを見つけるため」。 やりたいことは、なにもなかった。
「だから、お金を貯めることにしたのかな」
閉塞した風俗世界から離れられない。思い浮かべることができる生きる目標は、それだけしかなかった。
「あー、けっこう稼いでるから、貯金できるなー、働こうって。ストリップを一年半くらいしたのかな。ストリップ一年半のうち前半はまったくなんとも思わな かったんだけど、後半からだんだんオカしくなってきた。キモチ悪い顔でアソコを覗いてるオヤジがイヤになって、オッサンキモイって思うようになった。これ が風俗病かぁ、と思って、イヤなキモチがだんだん大きくなって、こっちみるなみたいな感じになって、耐えられなくてやめたのね。目標が遊びじゃなくて、お 金を貯めるになっちゃったから、生きてて楽しくない。遊べばバッバババって使って楽しいでしょ。貯金が一番になると、仕事終わりました、帰りました、はい おやすみだから。そんな挫折から、だんだん貢ぎ癖の芽がでてくることになるの」
串焼き屋をでようとすると、彼女は反射的に財布を取りだして支払おうとした。手をとめて「俺が払うよ」というと、不思議そうな顔をしている。男の会計は自分が払うという、条件反射のようだった。古びた商店街を歩き、老朽した喫茶店に入った。
「タイにハマったのが、貢ぎの始まり。タイに行って、ゴーゴーバーってあるじゃないですか。男の子を買ったんですよ。したら従順で、安いお金で欲しがって 喜ぶし、一日六千円くらいで買えちゃうんだけど、そのくらいの金額すぐに稼げちゃうから遊びまくった。一万円の物を買ってあげただけで、すごい喜ぶのが新 鮮で、それで貢ぐ喜びを憶えちゃったのね。もう、月に二回とか依存症みたいにタイに行きだして、むこうの子を買ったのね。ハルちゃん、これ欲しい? え、 なに欲しいの、みたいな。ねだってくるのが可愛いーの。キャハハ。オジサン買ってあげようか? みたいな。タイって貧乏な国でしょ。私の普通の格好が、向 こうでは超お洒落さんみたいで、金あるし、チヤホヤされるし、優越感たっぷりなの。日本人は色白いってモテるし王様気分に浸れるのね。この国、最高! タ イ最高みたいな、感じだったな」
そして貯金を辞めた彼女は、スカウトされてAV女優となる。出だしは順調であり、シェールから単体デビューしている。
「ビデオも最初は楽しかったの。みんなチヤホヤしてくれて、可愛いね、可愛いねって何十回もいわれて有頂天になってたよ。ちょっと売れてもいいかなと思っ たのね。頑張って売れようかなとか思ったのね。単体のビデオの撮影って、みんな可愛い可愛いって言ってくれるわけじゃないですか、だったらもっと売れた ら、もっと可愛いっていわれるかなとか。なに飲みますか? 寒くない? とか至れり尽くせりで、二十歳くらいでそんなことされたら女王様気分になるで しょ。でもね、全然売れなくて続かなかったの。3本でお終いで、依頼なし。風俗は禁止されたから、時間はあるけどお金がないって状態で、お金を使わないよ うにして遊ぼうと思ってハマっちゃったのが、薬なのね。シャブ。毎日やっちゃって、今まで軽い葉っぱとかしか経験ないのにキモチ良くてキャーキャーとか なっちゃって、毎日天国状態。単体クビになってなにもすることなくなって、半年くらい家に籠もって、毎日ドン決まりだったの。家にもジャンキーみたいな友 達しか来なくなって、薬にお金使いすぎて貯金なくなっちゃって、企画に落としてもいいからAVやろうって思ったのね」
シャブ代を稼ぐために企画女優になった。ラリって撮影現場に行って、稼いだ出演料でパケを買う。天然の彼女の落ち込む姿はまったく想像つかなかったが、彼女ほどの天然アッパー女でも長期間覚醒剤を常用してると落ちる時期があるようだ。
「今まで大勢だったのに、お金に余裕ができて一人で家でやるようになって、考えがマイナス、マイナスにいっちゃったのね。どうして生きてるんだろうとか、 将来お先真っ暗とか考えちゃって、もう死にたいなとか思いだして。家に盗聴器が仕掛けられてるとか、いつも誰かがみてるとか、被害妄想が強くなってヤバ イ、ヤバイって気づいたんですよ。これが薬の影響かと思って、友達に三日くらいみててもらってやめたの。で、薬抜いて気分転換に行ったのが、大ハマりし ちゃうホストなのー」
二十二歳、はらだはるな初ホストデビューとなる。
「そっちでお金を使うようになって、薬代までまわらなくなったのね。それが良かった、ハハ。みんなノリがいいしすごい楽しくて、薬やらなくてこんな楽しいんだから、もういいや、趣味をホストにしようって。健康的だし、みたいなね」
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